梵我一如の先

恥と痛みは誰が為に。

ステロイド離脱症状と予後不良の根本原因

 

 

■簡単な既往歴

 

・生後半年からアトピーと喘息

 

・いつからか鼻炎も発症

 

・1歳から20年以上、ステロイド軟膏を使い続ける(強さはvery strongまで)

 

・10歳から10年以上、吸入ステロイド(フルタイドやアドエア)を使い続ける

 

・20歳から数年、点鼻ステロイドを使い続ける

 

 

■異変

 

・一番初めの異変は、20代半ば頃から、ステロイド外用剤の効きが悪くなっていったこと(それまで周りからは肌が綺麗と言われていた)

 

ステロイドのランクを上げても、炎症がおさまるどころか、頭から足先まで全身どんどん悪化

 

・当時のかかりつけ医の見解

「アレルギーがひどくなった」

「薬をちゃんと使えてない」

ステロイドが効かないなんてことはない」

 

 

ステロイド中止1度目

 

・塗っても塗っても悪化するので中止

 

・そこそこひどい悪化後、不快感がなくなる程度に回復(3ヶ月ほど)

 

・屈曲部は少し皮疹が残る

 

・そのまま1年経過

 

 

 

■2度目の異変

 

・残った皮疹をなんとかしたいと思う

 

日本皮膚科学会の権威ある医師に診ていただき、very strongのステロイドを処方してくださり、全身にしっかり塗るよう指導を頂く

→FTUを意識して数日塗り続けるとたちまち全身激悪化

 

・明らかに内側からぞわぞわと炎症が起こってるのがわかって、落屑ひどくなる(車を少し運転して降りると、シートに砂場ができるくらい)

 

・顔もパンパンに腫れてまぶたも開けにくくなる

 

・全身ピンク色の服を着てるような皮膚になり、灼熱感、浸出液、不快感の極み

 

・仕事ができなくなる

 

 

ステロイド中止2度目

 

・いわゆる本域の脱ステロイドを仕方なく開始

 

・ゾンビや四谷怪談のお岩さんが可愛く思えるくらいの、グロテスクな状態になる(日常生活も厳しくなり、親の介助に頼る)

 

・仕方なく「脱ステと言えばこの人」と言われてる先生に診ていただく

(確か紅皮症とヘルペスと言われた記憶)

 

※全身のヘルペスは、カポジという感染症で、感染症ステロイドは禁忌。悪化の原因の1つ。

 

・その後、徐々に回復していくが、たまに細菌感染と診断され、浸出液と糜爛(グチョグチョ)の箇所が増える時もあった(抗生物質で対処していた)

 

・あまりの炎症と掻痒で白内障になり、ほとんど目が見えなくなる(最後に自分で測った時で片目0.06、元は片目1.2)

 

・喘息のステロイドも中止(一時悪化はメプチンエアーだけで対処)

 

・悪化と軽快を繰り返しながら、徐々に皮膚は上皮化していき、炎症部位も減っていく

 

・途中、感染症に気付かず放置して、傷が治りきらず一生キズのようになった箇所が多数

 

 

 

■手術と恒常化

 

ステロイド中止から1年と3ヶ月後、見えなくなった目の手術をする(水晶体交換でピント調節は失うが、視力自体は回復)

 

ステロイドがしっかり効いてた頃の状態を10として、中止して爆発した時の症状を100だとすると、30くらいまでは回復(抗ヒスタミン剤抗生物質以外の薬は使わず)

 

・一進一退を繰り返しながら治癒に向かっていたが、明らかに回復が止まる

 

・後遺症的な皮膚と、アトピー特有の限局的な皮疹がやはり残る

 

・残った症状

屈曲部の痒疹、丘疹

全体的な皮膚の荒れ、落屑

痙攣レベルの掻痒感

粘膜の痛みや乾燥

 

 

 

■2年後

 

中止してから1年間に数度、局所的に乾燥状態から数日で湿潤糜爛(ジュルジュル)になった。

これは脱ステ界隈では「リバウンドの第x波」と呼ばれたり、傷からの細菌感染と診断されたりする。確かに抗生剤を飲むと、明らかに改善の様子を見せていた。

(この時はこの経験が、後に重要なヒントになるとは思いもしなかった)

 

 

2017年7月現在、中止から2年半が経ち、皮膚の状態が良くなりきらないまま恒常化したと思っていたが、事態は動き出す。

今までの自分の中の常識が覆り、見えなかった問題点が見えてきた。

 

 

 

■新たな展開

 

先日、免疫を高める為に、筋肉を付けながら糖質を制限する、という方法を試していた。

 

この糖質制限には3種類あるらしく、

・プチ制限

・スタンダード制限

・スーパー制限

と推奨派からは呼ばれてる。

 

多くはダイエットで用いられる方法だけど、自分は172cm52kg、体脂肪率1桁の瘦せ型。

 

ただただ免疫力を上げるために実施。

理由は、HPVやヘルペスその他の感染症を疑ったから。

 

自分が試したのはしばらく一切の糖質をやめて、タンパク質と野菜を多量に摂取しながら運動をするスーパー糖質制限

 

すると、制限開始から2週間経ったくらいで、それまでは乾燥してボコボコしてたところの皮膚(結節のような痒疹)が、みるみる赤くなって、湿潤糜爛になって、ガーゼと包帯じゃ1日ももたないくらいの浸出液が出始めて、気が狂いそうな強烈な痒みも生じた。

 

まず最初に思い浮かんだのが、細菌感染かカポジ(全身ヘルペス)。


一応、久々に病院に行ったらヘルペスが出てたようだ。抗ウイルス剤飲んでも遅いくらい症状は消退してる」との診断だった。

 

 

 

 

■浮かぶ疑問

 

ここで、小さな疑問が生じた。

 

ヘルペスは、アルギニンという成分よりリジンという成分を多く摂取し、免疫を高くしておけば発症しない。

 

スーパー糖質制限中は、通説では免疫力が高められてアレルギー疾患を改善させる。尚且つ、良質なタンパク質を大量に摂取する食事は、圧倒的にリジンが豊富。加えて、アルギニンが含まれてるものは種実類(アーモンドやナッツなど)や栄養ドリンクだけど、種実類にはヒスタミン(アレルギー症状を引き起こす成分)も含まれてるからいつも避けてるし、レッドブル等も一切飲んでない。

 

食物アレルギーは幼少期に克服してるし、ずっとヒスタミンが含まれる食べ物は極力避けて生きてるから関係ない。

 

だけど、糖質制限でアレルギーやその他の病気は改善されると言われてる中、自分の場合は明らかに糖質制限によって症状は激悪化した。

 

その後、「消退してる」と言われたはずの悪化はおさまらず、続いた。
そこで、浸出液が多い時は細菌感染を疑えという自分の教訓から、備蓄してた抗生物質を飲んでみた。

1日半で浸出液が止まった。

 

ただ、薬をやめると、また赤いびらんと浸出液。

 

糜爛に石鹸は逆効果だけど、水で毎日患部を洗って抗生物質を飲めば、前述した1年前の時は3日〜1週間くらいで完治して、ぶり返しはなかった。

 

何かがおかしいと思った。

 

 

 

■既存知識の整理

 

自分自身、ステロイドについて肯定も否定もしない。

何事にも個体差があるから。

 

問題なのは、ずっと効き続ける人と、自分のようにしばらく効いてたけど効かなくなる(悪化の一途を辿って、やめるとある程度回復する)という流れが何度やっても起こる人の違いはなんなのか、ということ。

 

アレルギー、アトピー、喘息、その他諸々について、書籍やネットで調べると、たくさんの意見や知識が出てくるけど、どれだけ調べてもどれもこれも根本原因や根治療法ではなく、単なる何かしらの結果で、万人に共通する100%の原因ではなかった。

 

これまでに見たり聞いたりした、思いつく限りの「原因らしい要素」を挙げてみる。

 

・体質や遺伝

・自己免疫疾患

・住環境(ハウスシック)

感染症(黄色ブドウ球菌、マラセチアetc)

・ストレス

・大気汚染

・運動不足

・不衛生

・過衛生による幼少時の免疫獲得失敗

・栄養不足や偏食

・化学物質への接触や摂取の増加

 

……医師や素人問わず一般的に言われてるのはこのくらい。

 

だけど、体質の原因を聞き返せばみんなだんまりか濁すし、遺伝は未だに根拠が解明されてない。発症しやすい遺伝子は見つかってるけど、代々遺伝する証明はされてないから、今のところオカルト。

 

その他の要素も往々にして個体差があるのは明白だから、根本原因ではない。

あくまで「要素」。

 

 

 

続いて「ステロイドが原因だ」と主張する人達の意見。

 

ステロイド軟膏によって皮膚のフィラグリン遺伝子が変異してバリアが破壊される

 

ステロイド軟膏の基材のワセリンや、ステロイドホルモン自体が傷から皮膚の基底層に届いて沈着し、酸化し、過酸化脂質になり、アレルギーを起こす

 

ステロイドにより免疫力が低下し、細菌やウイルス(ヘルペスやHPV)に感染する

 

 

……自分はこの最後のだけ有力だと思っていたけど、それでも、ステロイドを使い続けてもなんともない人もいる。

 

ただ、喘息の吸入ステロイドはメーカー情報では体内に20%ほど残留するし、「ステロイドに対する抵抗性を獲得して効かなくなり、stat5受容体を阻害するピモジドという薬を投与することで反応性が戻る」なんて研究結果もあるくらい。

 

つまり、アトピーのみでステロイドを使用してる患者よりは、自分が使用した総量の方が多くて、抵抗性を示す可能性は高いと思ってた。

 

使用量と、強さ、使用期間の長さが原因じゃないかと。

 

でも、これ以降、どれだけ調べても明確な答えに行き着く事はできなかった。

微生物学の論文や書籍を読んだりもした。

 

有名な病院の医師に「原因なんて今は問題じゃない」とあしらわれたこともあった。

 

HPVを疑って、自分の皮膚をセルフ冷凍凝固療法したこともあったし、日光のUVBを浴びてわざと日焼けしたこともあるし、抗真菌剤、オキサロール、ゲッケルマン、海外で最近行われてるブリーチバス、サリチル酸やスピール膏とかも試した。

選択肢がなくなって、サプリや民間療法もいくつも試した。

 

既存の知識や方法は、2年間でほとんど網羅した感はあって、調べることをしばらくやめていた。

 

 

 

 

■記憶

 

先日からの糖質制限による悪化で何かがおかしいと感じてから、記憶に思い当たる節があり、色々と思い出したり、お休みしてた情報収集を開始して、ひたすら調べまくることにした。

 

 

───時は遡り、ステロイド中止後、ちょうど半年くらいの時に、医師から「良質なタンパク質をたくさん摂って。水分は1000cc制限」という指示が出た。


とても暑い時期だったと思うけど、言われた通り守って、糖質制限のような生活をしたことがあった。


タンパク質+野菜のみの生活を続けた。
ジャンクフードやお菓子、穀物も小麦もなし。

 

その2週間後、打撲性白内障の関係で、他県の大きな病院の眼科に行く予定があったんだけど、その時の皮膚の症状はかなり悪化気味だった。

 

炎症もひどく、痒みや痛みもあって、湿疹から出る大量の浸出液が、明らかに黄色いし臭い。

 

「これは、脂質やタンパク質が漏れてるんだろうけど、全身のひどい傷を治癒させるためにはそれくらいのタンパク質が必要なんだろう」と、その時は解釈した。

 

そしてジュクジュクは細菌感染もあるだろうと、抗生物質を飲んだ。
浸出液は止まって、乾燥し、上皮化してきた。

 

その後、どうも胃や腸の調子が芳しくなくなって、フラつきや舌や手の痺れが出てきておかしいと思って、自主的にその食生活を中止した。

普通にバランスよく、少食で済ますことにした。


しばらくして、胃腸障害やフラつきなどの症状はなくなった。
と同時に皮膚の「悪化の波」も緩やかにおさまっていった。


つまり、前述した通り、この時は抗生物質によって細菌感染が治ったと思い込んでいて、食事との因果関係にはまるで気付けなかった。

 

 

 

 

■新しい視点

 

───そこで今回、まずは糖質制限の是非について調べたところ、どうも医師たちも一般人も、意見が二極化してる。


かいつまんで書くと、糖質制限が免疫力を上げる、という主張と、糖質制限をすると筋肉から糖が作られるから、基礎代謝が落ちて免疫力が下がる、という主張。

 

前者は多くの医師や機関が提唱してるけど、論文の数は少ない。
一方で後者は、海外の大学が研究で解明したこと。

 

その他にも共通してるのは、1日の必要摂取カロリーをタンパク質だけで摂ろうとすると数kgになる、と。


しかもそれはケトン体モード(飢餓状態)と言って、脂肪や筋肉を糖として使う状態でのことだから、骨や筋肉その他を維持するためのタンパク質はさらに摂らないといけなくなる。


……まず不可能でしょ、というのが当然の考え。

 

消化機能の良し悪しもあるだろうけど、そんな量のタンパク質をずっと摂ると、必然的に動脈硬化心筋梗塞などのリスクになる。

調べてみると案の定、そのような情報がたくさん。


さらには糖の不足で、セロトニンメラトニンが欠乏して、鬱状態(ネガティヴ)になったり不眠症になったり、認知症のリスクも高まる。

ここのところ、自分自身、おかしな夢を見たり、メンタルが打たれ弱くなったり、頭がぼーっとしてうまく考えられなかったから、辻褄が合う。


舌や右手の痺れも、糖質制限後に右半身麻痺になったという人の体験談もあったから頷けた。

 

ここまで来ると、情報の優位性としては、瘦せ型でスーパー糖質制限をする→筋肉減る→基礎代謝下がる→免疫力下がる、の説が濃いと感じた。

 

 

そこで、じゃあ皮膚にも直接的な影響があるのかどうか、という一番知りたかったことを調べ始めた。

 

たくさんのワードを組み合わせて、いろんな検索方法でググってみた。


アレルギーやその他の病が改善するケースはたくさんあっても、悪化するケースはなかなか見つからなかった。

けどシンプルに「糖質制限 かゆみ」で検索したら、ようやくヒットした。

 

しかも、糖質制限食を推奨してる方々でも「注意点」として挙げていたことがあった

 

 

 

■根本原因


「色 素 性 痒 疹」


しきそせいようしん。

 

糖尿病の患者や、若い女性が無理なダイエット(スーパー糖質制限のような)をした時に起こる、現代に増えてる皮膚病。

 

詳しい原因は不明とのことだけど、高ケトン血症が関連する説が濃厚。

 

病気の特徴として「米粒大のとても痒い丘疹が多発し、治った痕は茶色い網状の色素沈着が残り、しばしば再発する」ということ。

ステロイドを中止して、失敗する人の多くは色素沈着が残る
自身も皮膚のあちこちが焦げ茶色になってる。

 

それだけじゃなく、もっともっと決定的な特徴が2つ。

 

色素性痒疹には、
ステロイドが無効。
抗生物質が効く

 

 

参考にしたHPによると、色素性痒疹は、瘦せ型・汗かき・フケ症などの人に多いんではないかとのことだった。
自身も汗かきで、ステロイド中止前後から体の落屑が多い。一致してる。

 

プロセスとしては、瘦せ型→インスリンがうまく働いてない→腸がうまく働いてない→ケトン体を抑制・コントロールできない。

極端な糖質制限→ケトン体モード→筋力低下→免疫低下→感染症

その上で、肉・魚・卵・乳製品などのタンパク質(ケトン体)を、制限した糖を補うほどに大量に摂取すると、腸内環境がさらに乱れに乱れて、本来はそこで消化・吸収・糖新生・脂肪として蓄積・排泄されるはずの脂質とタンパク質が、体のあちこちに回ってしまう。(高ケトン血症)

 

長期間その状態が続くと、脂質が酸化し、過酸化脂質になって、炎症の原因になり、排泄器官である皮膚の下からそれが押し出されて、糜爛・丘疹・痒疹になる→さらに感染症リスク。


ちなみに自身は21歳の時に、仕事や恋愛や家庭のストレスと暴飲暴食で、腸の内壁が剥離して大量に下血し、1ヶ月は絶食して点滴に通いなさいと医者に言われたことがある。仕事の関係で1週間ほどで普通の食事に戻した。
これも腸内環境の悪化と機能低下として条件が一致してる。


そしてもう一点、なぜ抗生物質が効くのかというと、一旦、腸内細菌嚢を不活性化して、その間に自己免疫が細菌を殺して、暴れまくってあちこちに処理しきれない脂質をばらまいてる腸の働きを、弱めるからという説。


ステロイド中止後、リバウンドだ感染症だと思って耐えてた悪化の数々は、内臓不全による色素性痒疹で、あの傷口から出てた真っ黄色の液体は、タンパク質もとい、処理しきれない脂質で、皮肉にもステロイドの軟膏や吸入、ワセリンなどの保湿剤は、傷口(粘膜)に脂質そのものを与えるわけだから、体内から皮膚を通して脂質を排泄しようとしてるところを、体外からも脂質でフタをしてたということ。

 

「保湿をしても治りが遅くなる」という脱ステロイド推進派の意見も、これで説明がつく。

もう腸や皮膚が限界に達してたんだろうと思う。

そしてあの独特のニオイも、今思えば過激な糖質制限による「ケトン臭」と言われるものだったんだろう。

 

 

 

■まとめ

 

ステロイドの多量・長期使用、インスリン、栄養の大きな偏り、過剰摂取と摂取不足、高ケトン血症、腸内環境、免疫低下、色素性痒疹、感染症、ストレス……これらの見事なフルコンボの結果が、

ステロイドが効かないどころか塗るほど悪化していくけど抗生物質は効き、ステロイドを中止すると激悪化を経てある程度は回復する現象の正体。

 

数ヶ月〜数年かけてマシになるのも、頷ける。

そして条件さえ整えば、100%全員が同じ症状を起こすはず。

 

良かれと思ってやってたことのほとんどが、患者を悩ませ苦しめることの根本原因だったとは、目からうろこ。

 

裏を返せば、内臓がしっかり動いてて筋肉もあって、食べ過ぎればちゃんと「太れる人」は、きっとステロイドを使い続けられるんだと思う。

 

───これだけ知識と経験と理屈が合致したことはなかった。

 

この説からいくと、本当に色素性痒疹だけなら、流動食や絶食+点滴を続けて消化器系の炎症や不調を改善させて、その後は脂質制限して、食べる量と消費量を考えれば、寛解する。


どれだけ皮膚が改善されるか試して、しっかりビフォアアフターの写真も用意できたら、また書きたい。