梵我一如の先

恥と痛みは誰が為に。

煙草の有害性(微生物学や免疫学などの学術記事を元に考察したまとめ)

 

 

人間は平均25歳以降、抗酸化酵素を産生する能力(SOD誘導能力)が減少し始める。
SOD=スーパーオキシド(オキサイド)ディスムターゼ。

煙草は、一般的には4000種に及ぶ有害物質がなんちゃらと言われてるけど、どれがどう人体に悪影響を及ぼすかはさっぱり解明されてなかった。

 

ただ、ここ数年の研究で、活性酸素種にスポットが当てられてることを知った。

 

煙草は、煙を吸入して気道粘膜に成分が付着した時点で、フリーラジカル活性酸素種を産生する。

大量の活性酸素は、たんぱく質変性と脂肪酸の酸化(PUFA自動酸化と言う)を生じさせ、細胞、遺伝子を破壊する。粘膜や皮膚、全身のそれらを損傷させる。
さらに、それを修復するための食事もたんぱく質脂肪酸ゆえに、活性酸素があらゆる食物を酸化させ過酸化脂質に変え、人体の損傷を加速させ、治癒を遅延させる。

ただでさえ加齢と共に、活性酸素(ストレッサー)に対抗するSOD能が減少し、肉体にどんどん不調が生じるのに、煙草1本で数千億〜数百兆も活性酸素を増加させる。

例えば妊婦が妊娠中や産後もずっと喫煙してると、流産や乳幼児突然死症候群、小児(から成人以降も)アレルギーになりやすいのは、つまり母体と直接繋がってる胎児にもその影響がもろに有るから。

成人の体さえ蝕む活性酸素種が、産まれる前の胎児に与える影響は計り知れない。

産まれる前から人生がハードモードになる可能性が爆発的に上昇するわけだ。

 

 

次に、副腎皮質ホルモンのコルチゾールは免疫を抑えて炎症を抑えるが、ストレスホルモンとも言い、ストレスが増えると体内の活性酸素が急増することから、なんらかの病などがステロイドで悪化する症状は、前述の現象が免疫低下に拍車をかけるからと推測する。

つまりウイルスや菌による感染症も、その状態では治癒や排出が進まない。

受動喫煙も含めた喫煙者の口腔内のヒトパピローマウイルスの潜伏感染率が、吸わない人より60%高く、ウイルスの排出が喫煙に伴うなんらかの理由で困難になってるという研究記事を以前に見たことがあるけど、これで辻褄が合う。

ウイルスは生物と非生物の間の存在で、死ぬという概念がない。不活性化と表現する。
つまり、体になんらかのウイルスが侵入した際、殺すという手段を取れない免疫は、それらを排出するか不活性化(抑える)させようとする。

ヘルペスが良い例で、60〜80%の人が保有してるウイルスだけど、実際に口唇ヘルペスやカポジ水痘様発疹症として出るまでは潜伏感染し、文字通り息を潜めてる。
疲れやストレスで免疫力が下がった時に、それらを発症する。
ただ、どれだけ抗ウイルス薬を服用しても点滴してもヘルペスウイルスを排除することはできず、不活性化させてる間に体が炎症を治癒させるように仕向けるのみ。
つまり、うまく共生するしかない。

その炎症が、上述の活性酸素種の影響で治癒しなかったらどうなるか、想像に難くない。

一方で、菌は死という概念がある生物。
悪い菌に感染したり常在菌のバランスが変わった時、その抗菌スペクトラムに対応した菌の抗生剤さえ使えば、菌は死滅する。(ミノサイクリン系のように静菌のみの抗生剤もある)

ただ、抗生剤でも殲滅されることはないらしいのが、腸内細菌叢。菌交代が起きはするものの、全くゼロにはならないくらい強固なシステムらしい。
ただ、そんな腸内細菌も、大量のフリーラジカル活性酸素に長期間晒されると、駆逐されるのではと考える。

腸内細菌、特にクロストリジウム属の菌は免疫を司り、腸内膜に定住することで透過性をコントロールし、経口免疫寛容や制御性T細胞の発現を担っているというのが2013年頃の研究で判明している。

これらが殲滅されると、たちまち全身のあらゆるところに炎症を起こす可能性があり、その炎症が二次感染に繋がり、それらを排出もできず、炎症の治癒も進まないという最悪のスパイラルに陥る。

ウイルスは殺せないが菌は殺せる、これは無視できない重要な要素だと感じる。

ただ、唯一不明な点は、同じ喫煙者でも、抗酸化物に対して性差があるということ。

本来なら抗酸化物質(野菜や肉魚などの渋味や灰汁)は、毒を持って毒を制すという仕組みでフリーラジカルを減少させる有益なものだけど、喫煙者にとっては毒性がそのままになり、内臓に炎症反応を起こすという研究結果があり、女性よりも男性の方がその現象が顕著とのこと。

性差とは言うものの、男性と女性は全く違う生物だと個人的には考えているから、なんらかの物質に対する反応や耐性に違いがあっても不思議ではないけど、その違いが一体なんなのかまで解明できれば、人類にとってとても有益な真実になる。

それこそ、あらゆる病の根治に繋がるような。
いや……それが世に顕現する前に、圧力で抹消されるだろうから、期待はしないでおこう。

 

以上のように、これだけの「人類にとって有害なもの」でも、世の中から無くならないのは、単純に大勢が得をしてるから。

 

大勢の不健康は、大勢の健康人を潤す。

うまくできてる。

 

人が作った依存性のある煙草により人の健康を害し、人の作った依存性のある薬により殺さないけど治しもしないで搾取し続ける。

そのおかげで経済が大きく回ってる。

 

皮肉な仕組みというか、茶番だ。

 

ちなみに、自分は喫煙経験があるから喫煙者と非喫煙者どちらの気持ちもわかる。

 

ただ、詳しく調べるほど、二者は共存できないとも思う。喫煙者の呼気にもPM2.5とか含まれてるから。

 

自他の健康を害することに罪悪感を持たない喫煙者は、最高法規の憲法の、健康で文化的な生活を送るという他者の権利をも侵害してるし、非喫煙者の寛容さによって社会で共存できていて、科学的見地から突き詰めれば、因果さえ証明されれば本来なら隔離、傷害罪で懲役という事実を忘れてはならない。

 

 

けど……煙草は美味しい。

もう吸わない(と思う)けど。